”先生と保護者のパートナーシップ向上を助けるコミュニケーションカード”
フィンランドの教育現場では、家庭と学校の協力が必須とされてきましたが、2016年夏からの新学習指導要綱では更に、生徒とともに家庭が学校のパートナーとして積極的に学校運営に参加することを勧めています。
誰もが多忙な今日、連絡事項はついつい事務的になりがちですが、対話を通してこそ、互いの思いや思考のギャップを知ることもでき、また違いを受け入れ協力していくことで信頼関係を築くことができます。
フィンランドの学校では年に2回保護者会議や面談を行うのが通常ですが、その際に、リラックスした雰囲気で対話をする試みがいろいろな形で行われています。
その一つにコミュニケーションカードがあります。カードの目的は「意見交換に際して敷居の低い環境を作る。」「学校で起こっていることについて保護者に関心を持ってもらう。共に対応する。」「カード遊びを通して楽しみながら先生と保護者が交流する。」の3つです。
カードは“自分を知るためのスタートカード“、“学校で共有したい価値観や習慣などのテーマカード”、そしてテーマカードの内容をさらに具体化した“小テーマカード”の3つから成ります。
授業を受ける子どもたちと同じように、保護者たちも小グループに分かれ、例えばグループごとに異なったスタートカードが配られ、それについて話し合います。
「私の子どもは。。。。。(こんな風)」「私の家族は。。。。(こんな風)」「家族一緒に過ごす時間は。。。。(こんなことをして)」などなど。
各家族が自分のケースを紹介し話し合います。これは互いを理解するのに役立ちます。
テーマカードは「子どもの友人関係」「学校の約束事について」「クラスのチームワーク」、そして小テーマカードは「いじめ」「孤立」「違いを尊重し、受け入れること」などなど。。細かなケースについてどう対応するのが良いと思うかを話し合うことで多様な思考があることを知り、共通の理解に導くことを学びます。
このように子供のようにグループ学習を楽しみながら、自分たちの学級を一緒に作り支える思いが生まれます。
顔を合わせて語り合うことは本当に必要だと思います。
コミュニケーション能力が問われる今日、大人でもそれを苦手としている方が多いのも事実です。肩に力の入らない、心を開いたオープンな対話環境の中で一緒に子どもたちのために学校の良きパートナーとなりたいものです。
日本でも様々な努力がされていると思います。
良きパートナーの基本である対話のためにこのコミュニケーションカードのアイデアが参考になれば幸いです。
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