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執筆者の写真ヒルトゥネン 久美子

「久しぶりの学校訪問」〜やっぱり学校はいいなぁ〜

まだまだコロナの規制はありますが、フィンランドは感染者数も安定し、ワクチン接種も進んできていることもあり、少しトンネルの先が見えてきた感じがしています。


日本の視察団を学校視察にお連れすることはなくなったこの一年間でしたが、状況把握と予防対策に最善を尽くし、学校との信頼関係のもと、授業が終わった頃を見計らって空っぽの教室を見せていただくことを条件に昨年後半から数回、学校の中に入れていただくようになりました。

先日お邪魔した学校は郊外の小中一貫校です。訪問していなかった間に生徒数はぐんぐん増え、750人を超えたそうです。しばらくぶりに会った生徒たちは中1の4人組。前回会った時には小6のクラスで日本の子ども達と折り紙や数独などを楽しんでいた彼らでしたが一気に成長していました。


彼らは今、国際交流クラブに属しています。小6の時の経験から海外との交流に積極的に関わろうと思ったそうです。本来なら海外からの訪問客の対応やオンラインでの共同授業など多くの交流チャンスが与えられるはずなのですが、今の所、活動規模は最小限になっているのは気の毒です。


それでも、今回私が訪問させていただいた際には、大活躍をしてくれました。校内の撮影をするために、先生から教室の鍵を預かり、すれ違う先生方に撮影の目的などを説明しながら許可を取ってくれたり、ありとあらゆる掲示物や最近の学校の様子などを皆が口々に説明してくれました。女子に混ざって男子が一人いましたが、とても自然な友達関係が垣間見られました。


フィンランドでは一般的な、幼い頃から皆一緒に近所の保育園に入り、そこから近所の小学校、そして中学校に通う、互いをよく知り合っている気兼ねのない地元の友達という印象です。なんだかそういう友人関係が懐かしく思い出されました。私の育った昭和の時代はそうでした(失笑)

さて、中学生はコロナで秋以降一時的にリモート学習になったこともありましたが、誰もが認めるとおり、「学校は皆のオアシス」、やっぱりとっても大切な居場所だと彼らは言います。半分大人になりかけているティーンの彼らも時折小さな子どものようにはしゃぎ回り、友人とのいつまでも止まることのない対話を楽しんでいるようでした。


「待ちに待った学校に戻ってこれて本当に嬉しかった。」という彼らも、今はまた、まもなく始まる夏休みを指折り数えて待っています。自主的に彼らがガラスのドアに張り出した「後23日で夏休み」というカウントダウンポスターには中学校でこの一年お世話になった先生方の名前と“ありがとう”“先生たち大好き!”のメッセージが添えられていました。

残念ながら授業風景を見ることはできませんでしたが、生徒がほぼ帰宅した後の空っぽの校内を見ただけでも壁の展示物やすれ違う先生方の笑顔から、やっぱり学校は人が集う幸せなところという思いを新たにさせられました。夏休み前にもう一度訪問させていただきますが、その時には先生と子どもたちへのインタビューを中心にしてみたいと考えています。

2ヶ月半の長い夏休みが終わって新しい学年が始まる時、できることならマスクの使用もなくなってみんなが大声で笑い、スキンシップを取れるような環境であることを祈ります。

子ども達の成長を自然で自由で緩やかな環境で見守れることを心から期待しています。


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